【結論】気づく力が昭和世代の強みになる
昭和世代の働き方と考え方において、「気づく力」は最大の武器になります。終身雇用の殻に閉じこもっていた私たちだからこそ、今こそこの力を磨き直すときです。長年の会社勤めで培った「気づく力」は、単なる性格ではなく、意識的に磨けるスキルです。この力を活かせば、変化の激しい時代でも確実に生き残れます。
昭和世代あるある:空回りする「気づき」
私も40代の中間管理職。朝は誰よりも早く出社し、夜は最後に電気を消す日々を送ってきました。典型的な昭和世代あるあるですね。「部長の眉間のシワに気づいて先回りして資料を作り直す」、「後輩の表情から体調不良を察知して早めに帰らせる」、「会議室の温度設定を参加者に合わせて微調整する」、こんな「気づき」が、私たち昭和世代の誇りでした。しかし、ふと気づけば管理職は深夜残業や休日出勤の日々。家族との時間は減る一方で、この先の不安だけが膨らんでいきます。
平成・令和世代から学ぶ「気づき」の方向転換
昭和世代の特徴として、会社への忠誠心が強すぎるあまり、自分自身への「気づき」が欠けていることがあります。平成世代や令和世代の若手社員を見ていると、彼らは違います。
【会議での出来事】
昭和世代の私:「この企画、部長が気に入らないかもしれないな…修正しておこう」
平成世代の部下:「この企画で自分のスキルアップになるな。ポートフォリオにも追加できる」
彼らは仕事を通じて「自分の市場価値を高める」という視点を持っています。これこそ私たち昭和世代が学ぶべき「気づき」の方向性です。
中間管理職の悩みを強みに変える「気づき」の再定義
中間管理職の役割は、上からの指示と下からの意見の板挟みになる「罰ゲーム」と揶揄されることも多いですが、実はこの立場だからこそできる「気づき」があります。
昭和世代だからこそ活かせる「気づき力」の3つの要素
- 組織の空気を読む力:長年培った「場の空気」を感じる力
- 人間関係の機微を察知する力:上司も部下も本音は言わないことを知っている
- 先を見越した準備力:トラブルの芽を事前に摘む経験値
これらは、若い世代には真似できない昭和世代ならではの強みです。
「気づく力」を自分のキャリアに向ける具体的ステップ
Step 1: 自分の強みに気づく
これまでの経験で培った「気づく力」を棚卸しします。
【自己分析ワーク】
・どんなときに同僚から感謝されることが多いか?
・あなたがいないと回らない業務は何か?
・退社後も頼られる相談事は何か?
これらは、あなたの市場価値につながる重要な「気づき」です。
Step 2: 社外の世界に気づく
週に一度は、以下の行動を習慣にしましょう。
- 業界の最新ニュースをチェックする
- SNS等でつながりのある人の投稿を見る
- 社内外の勉強会に参加してみる
こうした小さな習慣が、社外での自分の価値に「気づく」きっかけになります。
Step 3: 会社以外の収入源に気づく
昭和世代でも、以下のような副業から始めることができます。
- 長年の業務知識をオンライン講座に
- 同業他社へのアドバイザリー契約
- 若手へのメンタリングサービス
昭和と令和をつなぐ架け橋としての中間管理職
中間管理職の悩みは尽きませんが、昭和世代の私たちには重要な使命があります。それは、経験と知恵で培った「気づく力」を次世代に伝えること。若手は理論や最新知識を持っていますが、人間関係の機微や組織の動かし方といった経験値は不足しています。ここに私たち昭和世代の出番があるのです。
【部下の成長を促す具体例】
入社3年目の山田くん(28歳)は、プログラミングの腕は一流でしたが、クライアントとの打ち合わせでは緊張して言葉に詰まってばかり。ある重要プレゼンの前日、私は彼を呼び出して「明日のA社の部長は、数字の根拠に厳しい人だから、この3スライドは説明を厚くしておいた方がいい」と具体的にアドバイス。さらに「プレゼン中、A社の山下部長が腕を組んだら質問の合図。その前に『ここで補足資料があります』と切り出すといい」と相手の仕草から意図を読み取るコツも伝えました。結果、山田くんは初めて一人でプレゼンを成功させ、クライアントから「わかりやすかった」と評価されました。その後も、取引先ごとの「クセ」や「見えない力学」を伝え続けた結果、半年後には山田くんが一人で商談を取れるようになりました。彼は今では「山本さんに教わった『相手の小さな変化に気づく力』が自分の最大の武器です」と言ってくれています。
【まとめ】昭和世代の働き方と考え方を変える「気づく力」
昭和世代の私たちが培ってきた「気づく力」は、決して古びたスキルではありません。方向を少し変えるだけで、現代でも通用する強力な武器になります。会社だけに向けていた「気づき」を、自分自身のキャリアや市場価値にも向けてみましょう。そして、その知恵を若い世代に伝えることで、私たち昭和世代の新たな価値が生まれるのです。私は50近くになって初めて、自分のブログを始めました。最初は読む人もいないだろうと思っていますが、長年の経験から「気づいた」ことを書き続けるうちに、同世代の共感を得られるようになるといいな、と思っています。今、あなたの中にある「気づく力」は、決して会社だけのものではありません。その力を自分自身と次世代のために使えば、昭和生まれの私たちにも、まだまだ輝ける未来があるのです。共に気づき、共に成長していきましょう。